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グルナッシュとは?
果実味が際立つ味の特徴と魅力

執筆者プロフィール

ソムリエ 吉田 健二

入社後、 さざんか ソムリエに配属。 ラ・ベル・エポック ソムリエを経て現在はさざんかソムリエ。
ニューワールドワイン全般を得意とし、日本ソムリエ協会認定ソムリエ資格やドイツワインケナー、調理師免許など保有。

果実味豊かで明るい味わいの飲みやすいグルナッシュは、様々な方が楽しむことのできる、親しみやすいブドウ品種です。基本的には単一で使用されるよりはアッサンブラージュされることが多いブドウ品種で、アッサンブラージュに使われるブドウの組み合わせによって幅広い味わいが生まれます。色々な生産者や産地のグルナッシュを使用したワインを味わってみることで、よりグルナッシュの魅力を感じることができます。

グルナッシュの基礎知識

グルナッシュ イメージ画像
グルナッシュ(Grenache)とは?

グルナッシュはスペイン北部のアラゴン州が原産の赤ワイン用ブドウ品種で、世界で最も栽培されているブドウ品種です。グルナッシュはシノニムがあり、原産地のスペインではガルナッチャ、もしくはガルナッチャ・ティンタと呼ばれ、イタリアではカンノナウと呼ばれています。
グルナッシュは赤ワインやロゼワイン、辛口に甘口と様々なワインに使用されています。

グルナッシュの主な産地

グルナッシュの原産地はスペインですが、近年はフランスで多く栽培されており、南フランスのコート・デュ・ローヌ地方南部やルーシヨン地方が主な栽培地となっています。他にはオーストラリアやモロッコ、北アメリカ、イタリアなどでも栽培されています。
グルナッシュは暑さや乾燥した気候に強い反面、春先の冷たい雨に弱くベト病や灰色カビ病にかかりやすいブドウ品種のため、雨が少なく温暖で乾燥しているスペインのナバーラ州や南フランス、イタリアのサルデーニャ島などはまさにグルナッシュに適した環境と言えます。
グルナッシュを使用したワインは、フランスのコート・デュ・ローヌ地方南部で造られる高級辛口赤ワイン、シャトー・ヌフ・デュ・パプがとりわけ有名で、同じくコート・デュ・ローヌ地方南部では辛口赤ワインのジゴンダスや辛口ロゼワインのタヴェルなどもよく知られています。他にもフランスのルーシヨン地方の天然甘口赤ワインや天然甘口ロゼワインのバニュルス、辛口や天然甘口赤ワインのモーリーなども有名です。

グルナッシュを使ったワインの特徴

グルナッシュを使用したワインは、色は明るいルビー色で、ドライプラムやいちじく、チョコレート、タイムやローリエ、ローズマリー、ガリッグなどの香りや、黒ブドウの甘み、華やかな印象を与えます。熟成されるとこれにモカやタバコ、なめし皮などの深いアロマが加わります。
タンニンは少なめで酸もまろやかであり、ジューシーな味わいは赤ワインの渋みなどが苦手な人にも飲みやすいおすすめのワインです。果実の糖度が高いためアルコール度数が高く、長期熟成が可能なワインや濃厚な天然甘口ワインなども多く造られています。
グルナッシュは単一品種としてワインが造られることはあまりなく、シラーやムールヴェードルなどとアッサンブラージュされることが多いブドウ品種で、とりわけタンニンのしっかりとしたシラーと組み合わせられることでまろやかな味わいになります。コート・デュ・ローヌ地方南部で造られるジゴンダスやヴァケイラス、ボーム・ド・ヴニーズなどはグルナッシュを50%以上使用することが義務付けられており、グルナッシュはコート・デュ・ローヌ地方南部では特に重要なブドウ品種となっています。

グルナッシュのワインに合う料理

肉料理

甘みのある羊の煮込み料理やしっかりと煮込んだ牛肉のほほ肉やすね肉の煮込み、コクと奥行きが増す赤ワイン煮込みなどは、グルナッシュを始めとしシラー、ムールヴェードル、カリニャンなどをアッサンブラージュしたタンニンのバランスが良くなめらかでほどよくスパイシーさのあるワインとよく合います。また、ボロネーゼスパゲッティやクスクスとの相性も良いです。

魚料理

単一で醸造した凝縮感のあるグルナッシュにも合う魚料理は、濃厚な魚のブイヨンに赤ワインとバターを加えて仕上げたソースに、じっくり火を通した真鱈や真鯛を絡め合わせる料理がおすすめです。

キノコ

グルナッシュを始めとした複数のブドウを使用して造られるシャトー・ヌフ・デュ・パプなどとキノコの王様と呼ばれるセップ茸(ポルチーニ茸)のソテーを組み合わせると、複雑で香り高く、スパイシーで豊かな味わいを楽しむことができます。また、セップ茸のリゾットなどキノコの旨みが溶け込んだ料理と合わせるのもおすすめです。

デザート

グルナッシュを使用した甘口ワインは濃厚なコクのあるチョコレートとの相性が抜群で、ムース・オ・ショコラやフォンダンショコラなどと合わせると満足感の高い豊かなマリアージュを味わうことができます。
また、クレーム・ブリュレやチェリークラフティなどもグルナッシュを使用した甘口ワインとよく合います。

グルナッシュのおすすめワイン

Gigondas 2013
ジゴンダス 2013
  • 醸造家・生産者・ワイナリー : Saint Gayan サン・ガヤン
  • 品種 : グルナッシュ80%、シラー20%
  • 産地 : フランス コート・デュ・ローヌ地方 南部地区
  • 特徴 : 黒味を帯びたガーネットの色調や熟したプルーンなど、黒系果実を想わせるほんのり甘い香りにシナモンなどのスパイスの風味も感じられます。タンニンは柔らかくスムース、酸味も穏やかで円熟した味わいで、南フランスらしい、温かさを感じさせてくれるワインです。
Cuvée Juveniles 2016
キュヴェ ジュヴナイルズ 2016
  • 醸造家・生産者・ワイナリー : Torbreck トルブレック
  • 品種 : グルナッシュ75%、ムールヴェードル18%、シラーズ7%
  • 産地 : オーストラリア 南オーストラリア州 バロッサ・ヴァレー
  • 特徴 : ステンレスタンクによる熟成のため、色調はやや明るく、香りもピュアで、赤いベリー系の香りが顕著にでています。爽やかでフレッシュな酸、果実味はジューシーでジュヴナイルズ=若者達という銘柄名のイメージと味わいがリンクするワインです。トルブレックは南オーストラリアの銘壌地、バロッサ・ヴァレーを代表する生産者。
Contino Garnacha 2011
コンティノ グルナッシュ 2011
  • 醸造家・生産者・ワイナリー : C.V.N.E クネ
  • 品種 : ガルナッチャ(グルナッシュ)100%
  • 産地 : スペイン リオハ州
  • 特徴 : スペインの伝統的生産地・リオハでガルナッチャ100%から造られるワインです。熟度の高いブラムやブラックベリーの香りに少々胡椒のスパイシーさ、タイムのようなハーブのニュアンスを感じ、タンニンは程よく、肉厚な果実味がワイン全体の骨格を形成しています。
Grenache 2016
グルナッシュ 2016
  • 醸造家・生産者・ワイナリー : David & Nadia デイビッド & ナディア
  • 品種 : グルナッシュ100%
  • 産地 : 南アフリカ 西ケープ州 スワートランド地区
  • 特徴 : スワートランド地区のテロワールを反映したワインを産出する生産者。明るいラズベリーレッドの色調、赤いベリーやチェリーを想わせるアロマティックな香り。生き生きとした酸味と、フレッシュな果実味、ソフトなタンニンのワインです。

辛口から甘口まで、様々なワインに使用される人気者のグルナッシュ

グルナッシュを使用したワインはバラエティ豊かで様々なお料理やデザートとの相性も良いため、楽しめる機会が多いブドウ品種です。ぜひグルナッシュのチャーミングで凝縮感のある味わいをお楽しみください。

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